きっかけ①
「どうして、アロマセラピストになったんですか」と聞かれることがあります。
私は、「アロマセラピストになろう!」と思って、アロマセラピストになったわけではありません。
いくつかの「きっかけ」で導かれたような・・・偶然のような。
それは、今だから言える事なのかもしれないけれど・・・
でも、その道を歩んでいたら、ようやく天職に出会えた・・・そう思っています。
私の父は胃がんで、分かった時はもう手遅れで、余命宣告されていました。
手術で胃を全摘し、食道と小腸を繋げていました。
胃がないとはいえ、食事は摂らなくてはならない。
胃は、固形物を小腸で栄養を吸収しやすいようにしますが、その役割をする胃がないため、固形物は殆ど食べられず、重湯や野菜スープなどを食べていました。
ですが、食物を溜めておく大きな胃もないため、細い食道と小腸の間でよく「詰まり」を起こしていました。
当時、私は、リフレクソロジーが大好きで、良くマッサージを受けに行っていて、反射区を店員さんに教わっていました。
見よう見まねですが、父の胃の反射区を押したところ、固くゴリゴリしていました。
そこをマッサージすると、父は「気持ちいい」と言っていたのです。
いつものように、食事中、「詰まった、詰まった、苦しい」と顔に、しわを寄せ苦しそうにしていたので、試しに足裏の胃の反射区をしばらく押していたら、「ゴボッ、ゴボゴボ」と詰まっていったのが音を立てて流れていったのです。
父は目を丸くして驚き、そして「これで食べられる」と言ったのです。
それから、父が食事をする時は、詰まったら、足裏マッサージをするを繰り返していました。
1日5~6食に分けて食べていた食事の度の恒例行事となりました。
父はそれを喜び、私は命の期限がある父への思いと些細な親孝行が出来ている喜び、この足裏マッサージが私達家族の絆を深めていってくれたのだと思います。
そんなことを続けた何か月後の冬の午後。
脳の裏に残像として、陽の光やソファーに寝っ転がってる父の光景はハッキリと映っています。
母が食事の片づけをし、私が父の足裏を揉んでいた時、父がポソッと
「本当に上手いな。仕事にすればいいのに。」と。
その時の私は、ただのマッサージを受けるのが好きなだけで、指は痛くなるし、マッサージの仕事をするなんて考えてもいませんでした。
ですが・・・
その10年後、ある女性との出会いがきっかけで、この世界に踏み入れることになりました。
長くなってしまったので・・・また書きます。
こうやって振り替えること、根本に戻ってみることも大事だなと書きながら思いました。
また良かったら読んでくださいね。
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