映画『あん』
小豆を炊く時は、小豆さんとお話をするんです。
どこから来たのですか。
風にあたって寒くなかったですか。
雨にたくさんあたりましたね。
小豆さんが旅してきた道を小豆さんから聞きながら、
人から人へと繋がっていく小豆さんの旅を。
その旅に関わった方へ感謝の気持ちを込めて、『あん』を作る。
小豆が「音」「香り」で答えるという。
畑から来てくれた小豆を「おもてなし」するという。
長い長い旅から、来てくれたからと。
とても静かでゆっくりと心に染みこむ時間。
そこにある人間の裏側。
人の噂に左右され、戸惑うこと。
でも、本当は考え方なんかシンプルでいい。
桜は咲き、夏が来れば青々とした葉がそよぎ、蝉が鳴く。
風の音、雨の音、月の光。
心を潤してくれるものは、すぐそばにある。
目に写ることが全てではない。
樹木希林さんと永瀬さんの小豆を作るシーンがとっても温かい。
涙が止まらなかった。
本当に素晴らしい映画です。
6月に河瀬監督の新作が公開される。
森の話。
そして、大好きなジュリエットビノシュが出演する。
今から、公開が待ち遠しいです。
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