プロの仕事

中目黒を散歩中、「あれ???」と発見した場所。

大学生の時に通っていた美容院!

当時は代官山にあって、移転した後は別の美容院に通っていた。

しかしながら、ずっとずっと美容院ジプシー。

だから見つけた時は、「えーーー!」っという驚き。

今は、オーナーさんがひとりでされていると聞き、

驚くと同時に一気に敷居が高くなる。

当時は、とにかく世界に名だたる有名人をカットしていて、お店には殆どいなかった。

というか、会ったことがない。

そう思うと足が遠のいてしまった。


そして

中目黒にお店があることに気が付いてから数年経って、

よし、行ってみよう。仕事が見たい。と思って行ってきました。


お店まで行く道のり。結構な緊張ぷりっな私。


でもお店に一歩入ったら、独特の雰囲気は変わっていなく、

若かりし頃に行ったあのわくわく感が一気に蘇る。

奥から本多さんが出て来て、

「まずは、シャンプーしましょう」とひとこと。


シャンプー。

顔が揺れない。水が跳ねない。頭皮をガシガシやらない。

なんとも気持ちがいい。

しっかりとシャンプーをしてくれているのが分かる。

そして、結構長い時間しっかりやってくれる。

そして、やりながら、なんとなく・・・

私の骨(頭蓋)を確認しているようにも思えた。


会話。

「今日はどうしましょう」

「丸みのあるボブで、数カ月切らなくても大丈夫にしてもらいたい」

「分かりました」

これだけ。


私の頭蓋、頭皮の固さ、首、肩を確認し、肩をポンポンと叩いてからカットが始まった。


カット中は、読む本もない。

目の前には、私が映る鏡だけ。

そして、カット中は話さない。

話しかければ、話すだろうけれど、私は話さないで、その仕事を見ていたい。


思い出した。

若かりし頃は、美容師さんと話したりすること、雑誌見ることも当たり前だったけど、

はじめてこの美容院に行った時は、雑誌も会話もなかったことに驚いた。

しかし、髪を切ることで変化していく自分を見ていくのが楽しくなった。


室内は、漆喰の壁で天井が高く、大きく鳴る音楽がきれいに響いている。

その中で、カットし変わっていく自分をただ見ていく時間。


カット中は、私の顔には一切髪はかからなかった。


途中・・・

そういえば、髪の長さ、前髪とか一切伝えていないことに気が付く。

万が一、前髪切ったらどうしよう。

とも思ったが、それならそれでいいような気持になっていた。


たぶん、もう、私に合う長さも形も分かってカットしているように思えたから。


髪を切っている間、その姿が本当に職人で、見ていて飽きない。


私が見ていようが見ていなかろうが、無心に切っていく姿。

言葉で伝えなくても、見て触れて分かる感覚。


「きれい。すごくきれい。とっても品がある仕上がりになった。」

と、満足そうな顔をして、私に鏡を見せてくれた。


とっても、もたついていた私の髪はすっきりとまとまり、

そして伸びた時の方が、もっとまとまるような気がした。

今もそしてその先も、楽しみにさせてもらった。


「なんで、もっと早く来なかったんだろう。」

っと、思わず声に出た。


色んな所にジプシーで周りに回って、

自分のこと根ほり葉ほり聞かれたり、

言葉使いの汚い人にカットされたり、

顔に切った髪がバシバシ入って、顔がかゆくなったり、

髪洗ってもらってて、水しぶきが顔にバシャバシャ飛んだり。

ここには、全てなかった。


私よりうんと年上なのも、安心できる。

そして尊敬できる仕事の仕方。

この感覚。

どんぴしゃなのです。


こういう仕事の仕方を私もしていきたい。

私にとってのプロフェッショナル。

久々に出会えた喜びが、書いている今もとまりません。

Kumiko Ando Aromatherapist

主に、医療施設内で「アロマセラピー+漢方」を融合させた、独自のトリートメントをしています。  漢方・アロマセラピーを分かりやすく、身近に感じられるようなブログや症例を書いています。 たまに、プライベートな出来事も書いています。

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