五行説 【土】
さて、本日も引き続き五行説第三弾、「土」について書いていきます。
五行説には、「木・火・土・金・水」があり、3つ目である「土」。
五行説では、つちではなく「ど」と呼びます。
自然界の中で「土」は、様々なものを生み出し育て養います。
そして、生命の終わりは土に帰ります。
土は、生む、育てる、そして納めていく役割をしています。
この「土」の配当表には、下記があります。
脾
胃
思
湿
黄
甘
口
唇
肉(肌肉)
涎
土用
中央
私達の身体で「土」と同じ働きをしているのが、「脾」です。
西洋医学で言うと、消化機能を主るところです。
私達は、大地の恵み土に育てられた食物を「口」「唇」から食べ、「脾」や「胃」に届けます。
口の中で噛み、形を変えて食道を通り、胃へと向かいます。
胃で更に消化され、小腸→大腸といき排出されていきます。
身体にとって不必要なものは、「胃」から下へと落ち、必要なものは「胃」より上部へと上がっていき全身を巡らせる「運化」の働きをしています。
例えば、血を作る肝臓、血を流す血液などへと送られていきます。それらが私達の「肉」となり、血となっていきます。また、身体にとって必要なものが外に漏れないよう守る働きをしています。
「脾」は、食べ物を受け入れ、形を変化させ、必要なもの/不必要なものとして納める「土」と同じ働きをしています。
この「脾」の働きによる不調が出やすいのが「土用」です。
「土用」は、夏だけかと思いきや年4回やってきます。
立春、立夏、立秋、立冬が始まる前の18日間をいいます。
この土用の始まる頃、体力をつけるために鰻を食べる習慣が出来たんですね。
私も施術をしていて、本当にこの季節の変わり目「土用」の時は、皆さん同じようなトラブルが多いです。
漢方を勉強して、「なるほど!」と理解できました。
では、どのような症状が多いかと言うと・・・
消化不良、食欲不振、胃もたれ、食後に眠くなる、下痢、手足のむくみ、手足のしびれ、やる気が出ない、ネガティブ思考などがあります。
「脾」の働きが弱くなると起こりやすい症状で、人によっては「漏れ」が生じる人もいます。
私は、この「漏れ」がある人は今のところお会いしていないのですが、
例えば、鼻血、不正出血、脱肛、そしてよだれ(涎)などがあります。
そして、「脾」の調子が悪い時は、「口唇」に表れます。
色が赤みが薄く、艶がなく、場合によってはシミが出来たりします。
また、症状のひとつに思考の変化があります。
特に多いのが、夏から秋になる頃。
陽の季節から陰の季節に変わる時ですね。
活動的なところから、内なる自分と向き合う季節への切り替えをこの土用の時に出来れは良いのですが、夏のまま活動的に行ってしまうと、秋になった時に「なんか寂しい」と感じ、思考がマイナスになってしまう。
この「土用」は、心も身体も「準備」をする「整える時期」だと思ってもらえると良いと思います。
さて、この身体の不調、そして心を改善するのは「甘」です。
出来れば、消化の良い物が良いですね。
甘みのある食べ物は、漢方で言うと「補益」と言って、エネルギーを補給してくれます。
甘いものといっても、ケーキとかお菓子は、NGです!糖質とは違います。
〈甘みのある食材〉
玄米、棗、クコの実、きくらげ、ごま、くるみ、くり、そば、はとむぎ、豆類、肉類、卵、牛乳、蜂蜜、砂糖
〇野菜
とうもろこし、きゅうり、なす、冬瓜、南瓜、キャベツ、アスパラ、ブロッコリー、
チンゲン菜、ほうれん草、白菜、人参、百合根、蓮根、山芋、じゃが芋、薩摩芋、きのこ類
もやし
〇果物
バナナ、いちぢく、柿
〇魚
鮭、鰻、穴子、かつお、鮪、鯵、鱈
私は、先日夜寝ていて、自分のよだれで目が覚めました・・・
翌日食べたご飯は、「玄米粥」です。
もともと「脾」が弱い私は、この「甘」の食材を多く取り入れて生活しています。
特に朝は、クコの実、ヨーグルト(牛乳)、おから(豆類)を。
コーヒーには蜂蜜を入れて飲んでいます。
夏から冬に向かう時期は、冷たい物から温かい物に徐々に変えていき、身体の中を温めてあげて下さい。
そこを変えるだけでも、冬の身体は変わってきます。
そして、最後。
風水では、中央に「黄」。
西に黄色じゃないの!?と思いましたが、家の中央に「黄」を置くこと。
パワーを増したい場合は、相生関係である「火」の赤を一緒に。
NGは相克関係にある「木」の青です。
そして、もうひとつのポイント。
漢方では、この土用の時期は「大きなことをしないように」と言われています。
例えば、転職や引っ越しなど。
整える時期でもあるため、準備は良いですが、移動や変化は避けた方が良いそうです。
どうぞ、ご参考にしてくださいね。
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